「今より金利が低いローンに借り換えれば得」——方向性としては正しいのですが、借り換えには数十万円規模の諸費用がかかります。この費用を利息の削減額が上回って初めて「得」になります。この記事では、諸費用込みの損益分岐点の考え方と、判断の目安、具体的な試算例を解説します。
1. 借り換えにかかる諸費用
| 費用項目 | 目安 |
| 事務手数料 | 定率型:借入額×2.2%程度/定額型:数万〜33万円程度(金融機関により大きく異なる) |
| 保証料 | 0円(ネット銀行に多い)〜数十万円 |
| 登記関連費用 | 抵当権の抹消・設定の登録免許税+司法書士報酬で10万円前後〜 |
| 印紙税・完済手数料など | 数千円〜数万円 |
合計すると、借入残高2,000〜3,000万円クラスで総額30〜80万円程度になるのが一般的です(定率型手数料の場合は残高に比例して増加)。
2. 損益分岐点の考え方
借り換えの得失 = 「総返済額の削減額」 − 「諸費用の合計」
これがプラスになる金利・残高・残期間の組み合わせが「損益分岐点」を超えた状態です。
よく言われる目安は「金利差0.3%以上・残高1,000万円以上・残期間10年以上」です。ただしこれはあくまで経験則で、事務手数料が定額型で安い金融機関を選べば、金利差0.2%台でも得になるケースがあります。逆に定率型(残高×2.2%)だと、金利差が小さい場合に諸費用負けすることがあります。
3. 試算例:残高2,500万円・残り20年のケース
| 現在(年1.2%) | 借り換え後(年0.8%) |
| 毎月返済額(元利均等) | 約117,200円 | 約112,800円 |
| 毎月の差額 | 約▲4,400円 |
| 20年間の総削減額 | 約▲105万円 |
| 諸費用(仮に60万円) | +60万円 |
| 正味の得失 | 約45万円の得 |
※概算です。ボーナス返済・繰上返済・変動金利の見直しは考慮していません。実際の判断は、ご自身の残高・残期間・適用金利で必ず試算してください。
4. 自分の数字で確認する2ステップ
STEP1:現在の返済額を把握する
当社の無料シミュレーターで、残高・残期間・金利を入れると毎月返済額と総返済額が計算できます。金利を変えて2回計算すれば、削減額の目安がわかります。
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STEP2:実際に出る金利を比較する
損益分岐点の計算で最も重要なのは「借り換え後の金利が実際に何%になるか」です。これは審査条件によって人それぞれ異なるため、一括比較サービスで自分の条件の提示金利を確認するのが近道です。
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5. よくある質問
Q. 借り換えず、今の銀行に金利引き下げ交渉はできますか?
A. 可能です。他行の借り換え見積もりを提示して交渉すると、引き下げに応じてもらえるケースがあります。交渉材料を作る意味でも、まず比較サービスで相場金利を把握しておくのが有効です。
Q. 残り期間が短くても借り換えのメリットはありますか?
A. 残高が小さく残期間が短いほど諸費用を回収しにくくなります。目安は残高1,000万円以上・残期間10年以上ですが、定額型手数料の金融機関ならそれ未満でも得になる場合があります。必ず諸費用込みで試算を。
Q. 借り換えると団信(団体信用生命保険)はどうなりますか?
A. 現在の団信は完済で終了し、借り換え先で新規加入します。健康状態によっては加入できず借り換え自体ができないことがあるため、健康なうちの検討が重要です。がん保障付き等に保障を強化するチャンスでもあります。
Q. 諸費用は手元資金がなくても払えますか?
A. 多くの金融機関で借入額への上乗せが可能です。ただし利息も増えるため、損益分岐点は上乗せ後の金額で試算してください。
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本記事は一般的な情報提供であり、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。金利・手数料・団信の条件は金融機関により異なります。最終的な判断は各金融機関の提示条件をご確認ください。(執筆:株式会社アールラボ)